情報収集におけるインテリジェンスとは何か―Big4コンサルタントが解説します

情報収集におけるインテリジェンスとは何か―Big4コンサルタントが解説します

最近ニュースやTVなどで時々耳にする「インテリジェンス」という言葉。皆さんはその意味をなんとなく分かったつもりで聞き流していないでしょうか?

本稿では「インテリジェンス」の意味を構造的に理解し、かつそれを実生活で効果的に応用することができるよう、Big4コンサルタントの筆者が詳しく解説していきます。

本稿の内容は以下です。

インテリジェンスの意味

結論から申し上げると、情報を収集し活用するという文脈で語られる際のインテリジェンスは「示唆を含んだ情報」を意味します。

元々インテリジェンスは、英語の”Intelligence”を由来とするカタカナ語で、その意味は広辞苑を引くと以下のように書かれています。

(1) 知能。知性。理知。
(2) 情報。

出所:広辞苑

インテリジェンスは知性の高さを形容して「彼の話にはインテリジェンス(知性)を感じる」といった形で形容詞として使用されることもありますが、本稿では名詞で使用される「知能」、「情報」という意味のインテリジェンスについて解説します。

インテリジェンスという言葉はこれまで主に軍事用語として使用されることが多く、その後ビジネスでも使用されるようになりました。

「戦略(ストラテジー/Strategy)」や「戦術(タクティクス/Tactics)」、「兵站(ロジスティクス/Logistics)」なども元々は軍事用語でその後ビジネスで使用されるようになった言葉です。なお、インテリジェンスは昔の軍事書物などでは「諜報」と訳されていました。

しかし現在ではその意味合いが大きく異なっています。

現在は軍事ではなく主にビジネスシーンにおいて使用されるようになり、その意味合いは「敵の諜報」ではなく、「あまたある情報を分析して得られた、示唆を含む情報」になっています。

もう少し噛み砕いてみていきましょう。

インテリジェンスの図解

インテリジェンスを構成するものは「データ」と「インフォメーション」です。

データは、ありとあらゆる無機質な情報です。例えば「7:00の外気温は7℃」「16:00の外気温は13℃」といったものです。

インフォメーションは、複数のデータを集計して得られる情報です。例えば「日中の最高気温は15℃、最低気温は13℃」といったものです。

そしてインフォメーションは、これらのデータやインフォメーションの分析によって何かしらの示唆を示すものです。例えば「日中の最高気温は15℃、最低気温は10℃、かつ日差しも見込めて風速も0.3m/s程度と穏やかなので、体感温度は高め」といったものです。

この例文では太字部分がインテリジェンスに当たります。こういったインテリジェンスがあれば、自身がどの時間帯に外出するのかと照らし合わせて、上着を着ていくのか、着ていかないのか、次の行動を判断することができるようになります。

それを構造化して図で表現すると以下のようになります。

データを集計・整理して得られる情報がインフォメーションであり、それらのインフォメーションから導かれる示唆がインテリジェンスなのです。

もう少し細かく図解したものが下図です。

もうお分かりですね?

インフォメーションを分析するとインテリジェンスになるのです。
つまりインテリジェンスとは、データやインフォメーションを分析して何かしらの示唆が含まれた情報で、その次に取るべき行動を判断するのに適した形の情報なのです。

インテリジェンスの応用例

さて、インテリジェンスがどういったものかが分かったところで、次は実際にインテリジェンスをどのように活用すればよいかを見ていきましょう。

身近な具体例が分かりやすいと思いますので、東京―広島間の移動を元に解説したいと思います。岡山までは新幹線利用者が多く、広島になると新幹線と飛行機が同じ比率に、博多になると断然飛行機で行くという人が多くなると言われています。
(出所:新幹線の壁 本当に越えなければならないのは「4時間の壁」ではなくて「1万円の壁」という現実。)

では実際に、データ・インフォメーション・インテリジェンスを使って、東京―広島間の移動を分析してみましょう。

上の表内に記載されているものは全てインフォメーションであり、インフォメーションの元になるデータの一部は括弧内に記載しています。そしてこのインフォメーションを総合して得られるインテリジェンスが以下です。

こういったインテリジェンスがあれば状況に応じた判断が容易になります。

例えば明日、クライアントとの会議が広島であるとします。
「クライアントとのアポまでに無駄な空き時間ができてしまうので、到着時間を細かく調整できる新幹線で移動する」という判断をするのか、「広島に前泊をするので、前の日ギリギリの時間までオフィスで仕事をしたいから飛行機で移動する」といった状況に応じた判断をすぐに下すことができるようになります。

インテリジェンス応用のポイント

インテリジェンスがどういったものなのか分かったところで、応用のためのポイントを抑えておきましょう。

そのポイントとは「焦点をどこに置くか」です。
誰のためのインテリジェンスなのか。何のためのインテリジェンスなのか。
ここをはっきりさせておくことが重要です。

例えば会社で上司に「Aについて分析しておいてくれ」と言われたとき、何に注意してインテリジェンス情報をまとめればよいのでしょうか?

それが経営層に向けたものであれば戦略的な観点のインテリジェンスが必要でしょうし、管理職層に向けたものであればもう少し細かい作戦的な観点のインテリジェンス、そして一般社員層に向けたものであれば更に粒度の細かい戦術的な観点のインテリジェンスが必要とされるでしょう。

このように「誰のために」、「何のために」を意識してデータを収集し、インフォメーションに整理し、そこからインテリジェンスを導くことが重要なのです。

最後に本稿のまとめです。

まとめ

1.インテリジェンスとは、「示唆を含んだ情報」

2.データを集計するとインフォメーションになり、それを分析したものがインテリジェンス

3.インテリジェンス応用時に意識すべきポイントは、「焦点をどこに置くか」

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